運営者のアメリカ駐在中の株式投資方針とリアルな実績を公開します。
僕はアメリカに駐在していて、2020年2月から現地の証券口座で株式投資をしています。
現在は5万ドル(約600万円)以上を運用していて、数年で日本へ帰る駐在員にしてはかなり思い切った額を投下していますので、実践者の情報として参考になるはずです。
アメリカのたくさんある資産運用方法の中で、なぜ僕が株式投資をしているのかを知りたい方は、まずはこちらの記事をご確認ください。

アメリカ駐在中に米国株投資を始めようとしている
他の人がどんなポートフォリオで投資しているか知りたい
あなたのアメリカ駐在中の投資計画の参考にしてみてください。
目次
アメリカ駐在中に株式投資する目的

僕が投資する目的はつぎの2つへの備えです。
- 子供の大学の学費
- 老後資金
どちらも10年以上は先なので、今のうちに株でリスクをとった運用をして増やしておきたいのが一番の理由です。
また、株と債券への投資がどんなものなのかを知る経験も目的としています。
アメリカ駐在中に得られるドル給料でそのままドルの資産を持つのは、為替リスクなく円以外の通貨を保有でき、通貨リスクを分散もできます。
長期的にはFIRE(経済的自立を達成して早くリタイヤすること)も目指しているので早く資金を投下したいですが、資金を全力投下するのは日本の証券会社でやりたいと思っています。
アメリカ駐在中に資金を全力投下しない理由はつぎの2つです。
- 日本の証券会社のほうが何かあったときにサポートで安心(日本語対応など)
- 日本で資産を使うときにアメリカからの送金手数料がかかる
これらの理由から、アメリカで小さく株式投資しながら経験を積むことから始めています。
そして、日本帰国後に貯まった日本円で本格的に投資していく計画です。

最近は日本でも投資環境が整ってきていますので、日本でも米国株投資ができるようになってきました

わざわざアメリカで株式投資をする必要がないのでは?
と思うかもしれません。
日本の証券口座だとほとんどのETFに購入手数料がかかるので、アメリカの手数料無料な証券口座でいろんなETFを検討するのが目的です。
- 楽天証券 : 約定金額の0.495%(4,444.45ドル以上だと、上限22ドル)
- SBI証券 : 約定金額の0.495%(上限22ドル)
ETFは手数料が安く分散がきく
ETFとは上場投資信託のことで、個別株のようにニューヨーク証券取引所が空いている時間にタイムリーに売買できます。
これも投資信託の一種なので、このETFを買えば運用会社(例えばバンガードなど)が、ベンチマークしている指数をもとに運用してくれます。
運用会社が管理しているので毎年信託手数料がかかりますが、ETFは一般の投資信託とくらべて安く運用されています。
例えば、VOOというS&P500に連動するETFだと信託報酬『年0.03%』で安い。
いろんな企業がまとまった指数への連動を目指すものが多いので、ちゃんと分散されています。
このため、一社の動向をいちいちチェックする必要がないのも特徴です。
アメリカ駐在中、駐在後の投資方針
それでは、アメリカ駐在中の米国ETFポートフォリオ、駐在後の方針もお話します。
アメリカ駐在中はつぎのポートフォリオで運用しています。

全世界株、S&P500、債券、高配当株でかなり分散を意識して運用しています。
各銘柄は何に分散投資しているのかを一言で表してみました。
個別株投資は僕には合わないので、50社以上に分散されたETFしか買いません。
ハイテクグロース株も値動きが激しいので、QQQ(NASDAQ100)などよりはHDVなどの高配当ETFの方が好きです。
かつFIRE後の生活を考えると高配当ETFの方が相性がいいので、駐在中は高配当ETF3種類を試しています。
また、過去のデータからも、長期投資ならば株価値上がりが目立つ銘柄よりも地味だけど配当金を出してくれる銘柄の方が投資家へのリターンが高いという結果も出ているほどです。
『株式投資の未来』という本に詳細が載ってますので、戦略に悩んでいたら読んでみてください。
>>『株式投資の未来』の要約~これこそ長期投資家の必須知識!~
これは個別株もハイテクグロース株投資もできないビビリな僕でも、安心して寝れるポートフォリオになっています。
僕が『本業 × ブログ × 家族のケア』をできているのは、この自分の性格に合った分散投資のおかげです。
僕のように個別株だとその企業の動きが気になってしまい本業や生活に集中できなそうなら、分散されたファンドからスタートすることをおすすめします。
日本帰国後もアメリカの口座をこのまま保持します。(手続き必要)
ドルは旅行か出張くらいでしか使わないので、切り崩すことなく金の生る木になっておいてもらいます。(配当金が毎年出るので)
アメリカ駐在中は70,000ドルを積立投資する目標です。
帰任後もこの口座を保持したまま、ひたすら配当再投資していきます。
ポートフォリオ利回り7%くらいを想定していますので、複利計算するとだいたい15年で約190,000ドル(約2000万円)くらいになります。

しかし、アメリカで口座を維持していると日本で確定申告が必要になります。確定申告で外国税控除すると、配当金からアメリカで源泉徴収された分を取り返せます。
>>アメリカ証券口座を日本帰国後も維持すると自分で確定申告が必要
ちょっと面倒ですが、僕は日本ではふるさと納税で確定申告するつもりなので、米国株のも一緒にやればいっかって感じです。
この手続きが面倒なのがデメリットでしょうか。
日本帰国後は日本の証券口座でも運用
アメリカ証券口座は維持するものの、日本円貯金も貯まっています。
日本でもSBI証券か楽天証券で、FIRE(経済的自立して早期退職)を目指して米国ETF投資をしようと思っています。その戦略はすでに考えていますので、もしよろしければ参考にしてみてください。

現在の株式投資運用成績(2022/6/30時点)
僕は2020年2月からこの方法で投資をしています。
始めた最初の一年は途中でポートフォリオや毎月の掛け金を変えたり、コロナの2番底を待ったりしましたが、基本的にやっていることは毎月決まった日に決まった額のETFを購入しているだけです。
2022年6月末の生の投資成績を報告します。
2022年3月からロシアのウクライナ侵攻やアメリカの政策金利の利上げなどにより株価がかなり下落し、2年4ヶ月継続したポートフォリオ全体の成績は-0.76%(-384.58ドル)でした。2年ぶりにマイナスへ転じました。

アメリカではインフレ対策を急いていて、政策金利を決める会議で予想を超える0.75%の利上げが決まり、株価が大きく下落しています。
この株価が下がっている局面でも積み立てをやめないことが将来周りとの差を生みますので、僕はコツコツと積み立てを継続していきます。
ちなみにこれまでの配当金推移もまとめましたが、積み立て額を増やしていけばもらえる配当金も増えるので嬉しい限りです。

これまで合計で1339.45ドル配当金がでたので、株の値動きに耐えるかわりに配当金というお小遣いがもらえる感覚です。現金貯金だけでは見ることができなかった世界です。

僕はタイミングを見計らわずに決まった日に一気に買う方針にしています。投資でやることはほとんどなく、毎月1回つぎの作業をやるだけです。
- 投資額を決めて証券口座に送金
- 決めたポートフォリオ配分になるように、買い足す各ETFの数量を計算(省略可)
- 各ETFを購入
- 忘れる!
例えば、毎月一回1,000ドルを証券口座に送金。
僕は生活防衛資金を20,000ドルにしているので、銀行預金がこの額を下回らないようにしている。
ETFも証券所が空いているとき値動きがあるので、購入日にそれぞれの時価でETF何個ずつ買い足すと、決めたポートフォリオ配分になるかを計算する。
2で決めた数量のETFを購入。
下手に売買を繰り返すほうが成績が悪くなるので、買ったらもう忘れる。
一般的には1年に1回リバランスすればいいのですが、僕は常に決めたポートフォリオになるように手順2で毎月ETFを購入しながら調整しています。
これは無駄かもしれませんが、この作業が僕にとっては楽しいのです。
なので、手順2が面倒であれば、毎月購入する数量を決めてしまいます。1年に1回リバランスをかねて、希望するポートフォリオになるように買う数量を調整すればいいです。
会社の給料天引きの制度は忘れずに活用

日本で一般口座での投資はできませんが、会社を通じた資産運用で2つできるものがあります。制度があるかは会社にもよりますが、日系大手であれば同じ制度があるかもしれませんのでお勤め先に確認してみてください。
企業型確定拠出年金を扱っているなら、アメリカ駐在中でも日本の会社給与を通じて日本での運用が可能です。
会社が毎月掛け金を拠出してくれていますが、自分自身も会社掛け金と同額を給料から天引きで積み立てることができます。(掛け金が非課税)
これをマッチング拠出といいます。
このマッチング拠出の掛け金上限が変わることもあるので、たまに上限額をチェックして、上限額をフルに使ってお金を寝かせないようにしましょう。
会社の給与天引きの貯金制度があれば利用するのもありです。
財形貯蓄制度のような非課税が期待できるものも、海外赴任すると解約になってしまいます。
この財形貯蓄制度以外にも、給料天引きで中身は生命保険の積立貯金制度がある会社もあり、これは海外赴任中も継続することができます。
会社従業員に提供しているだけあって、民間の貯蓄型生命保険よりはかなりいい条件なこともあります。
アメリカに住んでいるときは日本円はあまり使わないので、給与天引きで運用継続できる制度があれば利用してみましょう。
(何年で元本割れするかや期待利回りなどの条件は確認してください)
アメリカ駐在中の株式投資方針まとめ
僕のアメリカ駐在中の投資方針はつぎの通りです。
- まだ資金を全力投下しない
- 米国ETFをひたすら積み立てる(VT, VOO, VYM, HDV, SPYD, BND)
- タイミングを見計らわずに決まった日に一気に買う
- 買ったら忘れる
- 日本帰国後も口座を維持
2022年6月末で-0.76%(-384.58ドル)の運用益でした。
買ったら何もしないほったらかし投資ですが、配当金は課税対象なので年一回確定申告もしています。でも簡単です。
>>アメリカ駐在中の株式投資にかかる税金と確定申告で増える手間2つ
アメリカ駐在の全体像(会社から駐在を任命されてからアメリカ生活を立ち上げて慣れるまで)をまとめていますので、ご興味があれば参考にしてみてください。
