
アメリカ駐在中に使っていた証券口座を日本帰国後も維持する場合、どんな手続きをすればいい?最終的な取り崩し方は?
アメリカ駐在中に現地の証券口座で投資をしていた場合は、帰国時に口座を閉じるか維持するかを選ばなくてはいけません。
本記事では、日本帰国後もアメリカの証券口座を維持するのに必要な手続きをまとめました。
ちなみに、日本帰国後にも維持できるアメリカ証券口座は以下の2つ。
- Charles SCHWAB
- Firstrade
僕はすでに日本へ帰国しましたが、Charles SCHWABの証券口座に約75000ドル分の株を維持したまま運用を継続しています。
最近、日本帰国に必要な手続きも行ったので参考になると思います。
また、アメリカ証券口座からの最終的な引き出し方についても記載しています。
資産運用していても最終的に使わないと意味がないですからね。
アメリカ証券口座の日本帰国時の手続き
アメリカ証券口座を日本で維持した場合にたまにやること
アメリカで運用していた株の使い方
目次
アメリカ証券口座(Charles SCHWAB)の日本帰国の手続き

証券口座の帰国手続きを実際にやった人は簡単には見つからないと思います。
僕もどうすればいいかわからなかったので、まずはやるべきことをチャットで聞いてみました。
しかし、チャットでは「この書類に埋めて提出して」と言われたのですが、もらったフォーマットが違いそうだったのと提出物についてのコメントもなかったので、自分でもいろいろと調べたのを覚えています。
正しい手続きとしては、以下の5つの書類をSCHWABのメッセージセンターからアップロードすれば終了です。
- Internationalアカウントへ変更したいというレター
- Update Your Schwab One International Account
- W-8BEN
- パスポートの顔写真ページのコピー
- 日本の住所を証明できるもの(電気、水道の明細書など。日本語でOK)
メッセージセンターはSchwabアカウントにログインして、右上のメールマークをクリックすると出てきます。

レターはこんな感じで簡単な文章、サイン、プリントネーム、日付を手書きで記入しました。これをスキャンしてPDF化して使いました。

「Update Your Schwab One International Account」は住所や電話番号などの口座情報を更新するために必要です。
「W-8BEN」とは米国非居住者であることを申請する書類で、これを提出すると米国非居住者としての課税ルールに変更されます。
この住所変更の手続きをしないと、アメリカの証券口座は米国居住者としていつもの書類(Form1099)を発行してしまいます。(詳細は以下アメリカでの確定申告の記事に)
>>アメリカ駐在中の株式投資にかかる税金と確定申告で増える手間2つ
アメリカ居住者は確定申告がマストなので、証券口座に対して居住者のままにしておくと、アメリカの国税局(IRS)の持つ個人情報も更新されず日本にいるのにアメリカ側で税務に関する通知が発送されてしまいます。
ちゃんと住所変更の手続きをしておきましょう。
手続きに必要な書類は以下のSCHWABのリンクに置いてあります。
正しい書類であればアップロードして数日でアカウント情報の更新が完了するはずです。各状況ごとにお知らせメールがSCHWABから届きます。
僕のときは時系列としてはこんな感じでした。
- 必要書類をメッセージセンターにアップロード
- 4時間後、「リクエストを受け取った。今はレビュー中。」とメール受け取る
- 1日後、手続き完了のお知らせメール受け取る
- 2日後、「W-8BENのフォーマットが無効なので再提出が必要」と連絡を受ける!?
一度完了したのにやり直しが発生した理由は、記入したW-8BENが古いものだったかららしい。
提出した翌日の連絡では「There’s nothing more you need to do.」って書いてあったのに、その次の日に「Action needed」と来たのでビックリ。
あらためて記入した新フォーマットのW-8BENをメッセージセンターからアップロードし、しばらく更新を待っていました。
しかし、一週間たってもSCHWABからアップデートがありません。
心配になったのでチャットで問い合わせたところ、やはり更新が進んでなかった模様。それでも、その場で即対応してくれ、手続きはやっと完了しました。
アカウントにログインし、住所や電話番号を確認するとちゃんと日本の住所になっていました。

これ以降は配当金から10%が源泉徴収されるようになります。(NRA Tax Adとあります)

アメリカ居住だったときはこの源泉徴収がありませんでしたので、ちゃんと居住国の設定が完了している証拠になりますので安心。
アメリカ証券口座を維持したときに日本でやること

アメリカ証券口座を維持すると発生する作業は2つあります。条件に該当するなら対応しましょう。
日本では給与以外の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要になります。
日本の証券口座は税を源泉徴収してくれますが、アメリカの証券口座は日本のような税金を源泉徴収する仕組みがありません。
このため、自分で年間の利益がいくらになるのか把握しておかなければいけません。
- 配当金
- 売却益
これらを円換算して、年間の合計が20万円を超えたら確定申告します。
理想的には1、2年に一回くらいリバランスした方がいいと言われています。
株は値動きがありますので長期で保有していると自分の決めた比率から変わってきます。その比率を戻す作業をリバランスと言います。
やっていることは自分のポートフォリオの中で高いものを売って安いものを買ってるだけなので、なにもしないよりかは将来わずかにリターンは高まりそうです。
アメリカ証券口座で運用していた株の最終的な使い方

アメリカ証券口座からの最終的な引き出し方についても書いておきます。資産運用していても最後には使わないと意味がないですからね。
セオリー上、使わずに株の状態で配当再投資しておいた方がリターンはもちろん高まります。
しかし、日本で生活していてお金が足りなくなることもあるでしょう。
- マイホーム購入
- 子供の学費
- 生活費のショートなど
使い方は必要になったときに使う分だけ株を売却して日本へ送金するだけです。残りを運用しておくと資産が長生きしてくれますので。
手順は次の通り。
- アメリカ証券口座内で株を使う分だけ売却
- 売却して現金になったドルを銀行口座へ送金
- 外貨送金サービスで円転して日本へ送金
- 日本で円として使う
アメリカ旅行や出張、子供が将来アメリカの大学に通うなどドルのまま使う場合は、株を売却し、銀行口座に移して使うだけです。
また、ある程度の運用資産があって配当利回りが高い場合には、配当再投資をやめて現金を貯めていくという方法もあります。これなら資産の取り崩しは必要ありません。
年金として老後まで運用継続できれば期間が長い分リターンは最大化できそうです。
しかし、歳をとってくると認知症や病気などで亡くなるリスクもあるので、アメリカの証券口座を閉じるのは健康なうちにやるのが無難でしょう。
案ですが例えば、55歳から年金がもらえる65歳までを10年間に分けて資産の1/10ずつ毎年取り崩すとか。
これは残りがまだ株として運用されるので、実際は10年以上資産が残る可能性が高くなります。
いくら使えるかはそのときにならなければわかりませんが、あくまで生活費の補助的な位置付けで使っていけば、定年後の再就職で収入が減ったとしてもゆとりのある生活ができるのではないでしょうか。
アメリカ証券口座のドル資金を円に変換してすぐ日本で使えるようにしておく必要があります。
しかし、銀行の海外送金サービスを使うと手数料を多く取られます。
一回で送金手数料45ドルは最低かかるのに、為替レートに忍ばせているわかりにくい手数料も。
いくつか外貨送金サービスを調べましたが、Wiseが手数料が安くてわかりやすいし着金も早いのでおすすめです。
こちらのWiseの紹介リンクから申し込むと初回の送金手数料が約600ドルまでなら無料になります。
>>【紹介コードあり】海外送金・Wise(旧トランスファーワイズ)の評判/口コミは?
アメリカの証券口座を帰国後も維持する手続きまとめ
アメリカの証券口座を日本帰国後にも維持するなら、忘れずに住所変更の手続きをしましょう。
最終的にはその資産をどう取り崩していくのか戦略も練っておいてください。
また、アメリカの資産をいつでも円に転換して送金できるように準備もしておきましょう。
外貨送金サービスとしては手数料が安いWiseがおすすめです。以下の紹介リンクから申し込むと初回の送金手数料が約600ドルまでなら無料ですのでご活用ください。
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